○薩摩川内市環境保全条例
平成24年9月13日
条例第38号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 環境への負荷の低減
第1節 通則(第5条)
第2節 要保全施設に関する規制(第6条―第15条)
第3節 騒音等に関する規制(第16条―第18条)
第4節 生活排水対策(第19条・第20条)
第3章 地球環境保全(第21条―第28条)
第4章 雑則(第29条―第31条)
第5章 罰則(第32条―第36条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、薩摩川内市環境基本条例(平成16年薩摩川内市条例第171号。以下「環境基本条例」という。)の基本理念にのっとり、環境への負荷(環境基本条例第2条第1号に規定する環境への負荷をいう。以下同じ。)の低減を図るための規制及び効果的な地球環境保全(環境基本条例第2条第2号に規定する地球環境保全をいう。以下同じ。)の対策を定めることにより、現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「要保全施設」とは、工場又は事業場(以下「工場等」という。)に設置される施設のうち、ばい煙(大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条第1項に規定するばい煙をいう。以下同じ。)、粉じん(大気汚染防止法第2条第8項に規定する粉じんをいう。以下同じ。)、汚水(水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第2項各号のいずれかの要件を備える水をいう。以下同じ。)、騒音、振動若しくは悪臭(以下これらを「ばい煙等」という。)を発生し、又は排出する施設であって、規則で定めるものをいう。
(市の責務)
第3条 市は、この条例を有効かつ適切に実施しなければならない。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため必要があると認めるときは、事業者に対して環境保全協定の締結を求めなければならない。
3 市は、地球環境保全に関する施策を実施するに当たっては、事業者及び市民と連携し、協働して取り組まなければならない。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、その事業活動による公害(環境基本条例第2条第3号に規定する公害をいう。)の発生源を常時厳正に管理するとともに、あらゆる事故の防止に努めなければならない。
2 事業者は、市から要求があったときは、環境保全協定を締結しなければならない。
第2章 環境への負荷の低減
第1節 通則
(規制基準の設定)
第5条 市長は、工場等の事業活動に伴って発生し、又は排出されるばい煙等について、当該事業活動を行う者が遵守すべき基準(以下「規制基準」という。)を規則で定めるものとする。
2 市長は、規制基準を定めようとするときは、地域の特殊性を考慮するとともに、環境基本条例第12条に規定する薩摩川内市環境審議会の意見を聴くものとする。これを変更し、又は廃止しようとするときも、また同様とする。
第2節 要保全施設に関する規制
(規制基準の遵守)
第6条 要保全施設を設置している者は、当該要保全施設に係る規制基準を遵守しなければならない。
(要保全施設の設置の届出)
第7条 要保全施設を設置しようとする者は、規則で定める場合を除き、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名
(2) 工場等の名称及び所在地
(3) 要保全施設の種類及び構造
(4) 要保全施設の使用及び管理の方法
(5) ばい煙等の処理の方法
(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
(1) いずれかの施設が要保全施設となった際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含み、規則で定める場合を除く。)
(2) 前号に掲げるもののほか、規則で定める事実が発生した者
(計画変更命令)
第10条 市長は、前3条の規定による届出があった場合において、その届出に係る要保全施設から発生し、又は排出されるばい煙等について、規制基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から次に掲げる期間内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る要保全施設の構造、使用又は管理の方法、ばい煙等の処理の方法等に関する計画の変更を命ずることができる。
(1) ばい煙、粉じん又は汚水に係る要保全施設にあっては60日
(2) 騒音、振動又は悪臭に係る要保全施設にあっては30日
(2) 要保全施設の使用を廃止したとき。
(3) 要保全施設の要件を具備しなくなったとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、規則で定める場合に該当するとき。
(改善命令等)
第14条 市長は、要保全施設を設置している者が規制基準を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて施設の改善等を勧告することができる。
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、当該要保全施設の改善又は使用の一時停止を命ずることができる。
(2) その者が他の要保全施設に関し第7条の規定による届出をした場合において、その届出に係る要保全施設の使用を開始したとき。
(3) その者が当該施設に関し第9条の規定による届出をした場合において、その届出に係る変更を完了したとき。
第3節 騒音等に関する規制
(深夜営業に係る規制)
第16条 規則で定める営業を営む者は、深夜(午後10時から翌日の午前6時までの間をいう。)の騒音(人声、音響機器音、楽器音及び客の出入りに伴うその他の騒音を含む。)に係る規制基準を遵守することにより、当該営業を営む場所の周辺の静穏の保持に努めなければならない。
(拡声機使用の制限)
第17条 何人も、住居の環境が良好である区域又は静穏の保持を必要とする施設の周辺の区域であって、規則で定める区域内においては、規則で定める場合を除き、商業宣伝を目的として拡声機を使用してはならない。
2 何人も、航空機から機外に向けて、商業宣伝を目的として拡声機を使用してはならない。ただし、拡声機の使用の時間、音量等について規則で定める事項を遵守して使用する場合は、この限りでない。
3 何人も、前2項に規定するもののほか、屋外において又は屋内から屋外に向けて、商業宣伝を目的として拡声機を使用するときは、拡声機の使用の時間、場所、音量等について、規則で定める事項を遵守しなければならない。
(改善命令等)
第18条 市長は、前2条の規定に違反する行為により、人の健康又は生活環境が損なわれると認めるときは、当該違反行為をしている者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な限度において、当該違反行為の停止その他必要な措置を講ずることを勧告することができる。
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、当該違反行為の停止その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
第4節 生活排水対策
(生活排水対策の推進)
第19条 市は、生活排水(水質汚濁防止法第2条第9項に規定する生活排水をいう。以下同じ。)による環境への負荷の低減を図るため、地域の特殊性に応じ、次に掲げる事項について必要な施策を講じなければならない。
(1) 公共下水道(下水道法(昭和33年法律第79号)第2条第3号に規定する公共下水道をいう。)その他の集合処理施設の整備
(2) 合併処理浄化槽(浄化槽法(昭和58年法律第43号)第2条第1号に規定する浄化槽をいう。以下同じ。)の普及推進
(3) 生活排水対策の啓発
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認めること。
(生活排水を排出する者の努力)
第20条 公共用水域(水質汚濁防止法第2条第1項に規定する公共用水域をいう。)に生活排水を排出する者は、次に掲げる事項に努めなければならない。
(1) 調理くず、廃食用油等の処理、洗剤の使用等を適正に行うこと。
(2) 下水道法その他の法律の規定に基づき生活排水の処理に係る措置を講ずべきこととされている場合を除き、合併処理浄化槽を設置して排出すること。
(3) 合併処理浄化槽が有効に機能するよう、適正な維持管理を行うこと。
第3章 地球環境保全
(事業活動に係る地球温暖化対策)
第21条 事業者は、その事業活動に伴う温室効果ガス(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第2条第3項に規定する温室効果ガスをいう。以下同じ。)の排出量を把握し、計画的な排出抑制に努めるものとする。
(日常生活に係る地球温暖化対策)
第22条 何人も、日常生活に伴う温室効果ガスの排出を認識し、エネルギー(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(昭和54年法律第49号)第2条第1項に規定するエネルギーをいう。以下同じ。)の使用の合理化に取り組むとともに、温室効果ガスの吸収が促進されるよう、適切な緑化及び森林の保全に努めるものとする。
(自動車に係る地球温暖化対策)
第23条 何人も、自動車(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車(同法第3条に規定する大型特殊自動車及び小型特殊自動車を除く。)及び同法第2条第3項に規定する原動機付自転車をいう。以下同じ。)の使用に代えて、公共交通機関若しくは自転車又は徒歩による移動に努めるものとし、自動車を使用する場合にあっても、温室効果ガスの排出量がより少ない運行(整備を含む。)に努めるものとする。
2 自動車を購入しようとする者は、温室効果ガスを排出しない又は温室効果ガスの排出量がより少ない自動車を購入するよう努めるものとする。
(環境物品等の購入)
第24条 何人も、物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合には、環境物品等(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号)第2条第1項に規定する環境物品等をいう。)を選択するよう努めるものとする。
(省エネルギー型製品の購入)
第25条 何人も、エネルギーを消費する機器等を新設又は更新する場合には、エネルギーの消費がより少ない機器等を選択するよう努めるものとする。
(地産地消の推進)
第26条 何人も、農林水産物又はその加工品(以下「農林水産物等」という。)を消費する場合には、輸送に伴う温室効果ガスの排出量がより少ない市内で生産された農林水産物等を優先的に消費するよう努めるものとする。
(オゾン層の保護)
第27条 何人も、オゾン層破壊物質(特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和63年法律第53号)第2条第1項に規定する特定物質をいう。)が大気中へ排出され、又は漏出することがないよう努めるものとする。
(希少野生動植物の保護等)
第28条 何人も、野生動植物が生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部として人々の豊かな生活に欠かすことのできない存在であることを認識し、希少野生動植物(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号)第4条第2項に規定する希少野生動植物種及び鹿児島県希少野生動植物の保護に関する条例(平成15年鹿児島県条例第11号)第2条第2項に規定する指定希少野生動植物をいう。)の保護に取り組むとともに、絶滅が危惧される地域固有の種についても、その状態が維持又は回復されるよう努めるものとする。
第4章 雑則
(事故時の措置)
第29条 工場等を設置している者は、故障、破損その他の事故に起因して、当該工場等から発生し、又は排出するばい煙等によって、人の健康又は周辺の生活環境に被害が生じたとき又は被害を及ぼすおそれがあると認める場合は、直ちにその事故について応急の措置を講ずるとともに、事故の復旧に努めなければならない。
2 工場等を設置している者は、前項の事故について、規則で定めるところにより、速やかにその状況及び応急の措置の概要等を市長に報告しなければならない。
3 市長は、第1項に規定する場合において、要保全施設の設置者が応急の措置を講じていないと認めるときは、その者に対し、必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
2 前項の規定により立入調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第31条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 罰則
第33条 第29条第3項の規定による命令に違反した者は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
第34条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(2) 第11条第1項の規定に違反した者
(3) 第18条第2項の規定による命令に違反した者
第35条 次の各号のいずれかに該当する者は、2万円以下の罰金に処する。
(2) 第29条第2項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(両罰規定)
第36条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前4条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
(川内市公害防止条例の廃止)
2 川内市公害防止条例(昭和49年川内市条例第20号。以下「暫定条例」という。)は、廃止する。
(経過措置)
3 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、暫定条例又は鹿児島県公害防止条例(昭和46年鹿児島県条例第41号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例中これらに相当する規定がある場合には、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。
4 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(平成27年9月30日条例第57号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成30年12月25日条例第44号)
この条例は、平成28年10月15日に採択されたオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正が日本国について効力を生ずる日から施行する。ただし、第22条及び第30条第1項の改正規定は、公布の日から施行する。
附則(令和5年3月24日条例第5号)
この条例は、令和5年4月1日から施行する。