○薩摩川内市準景観地区条例
平成25年3月29日
条例第34号
(趣旨)
第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)第75条第1項及び第2項並びに建築基準法(昭和25年法律第201号)第68条の9第2項の規定に基づき、準景観地区内における建築物若しくは工作物又は開発行為等の規制に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 工作物 建築物以外の工作物で、次に掲げるものをいう。
ア 鉄筋コンクリート造りの柱、鉄柱、木柱その他これらに類する柱
イ 物見塔その他これに類する塔
ウ 高架水槽、サイロ又は飼料、セメントその他これらに類する物を貯蔵若しくは製造する施設
エ 擁壁
オ 自動販売機
カ 垣、柵及び塀
キ 記念塔、彫像その他これらに類するもの
(2) 開発行為等 準景観地区の景観に支障を及ぼすおそれがあるものとして、別表第1の左欄に掲げる行為をいう。
(適用地域)
第3条 この条例は、法第74条第5項の規定により市長が公告した準景観地区に適用する。
2 市長は、法第74条第1項の規定により、準景観地区を指定するとき、又は準景観地区を変更しようとするときは、薩摩川内市景観審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くものとする。
(建築物の形態意匠等の規制)
第4条 準景観地区内の建築物の形態意匠は、別表第2において定められた事項に適合するものでなければならない。
2 準景観地区内の建築物の高さの最高限度は、別表第2において定められた事項に適合するものでなければならない。
(工作物の形態意匠等の規制)
第5条 準景観地区内の工作物は、別表第3において定められた事項に適合するものでなければならない。
(建築物又は工作物の高さの算定方法)
第6条 建築物又は工作物の高さの算定方法は、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第1項第6号の規定により算定するものとする。
(事前協議)
第7条 準景観地区内において建築物の建築等若しくは工作物の建設等をしようとする者(以下「建築物等の申請者」という。)又は準景観地区内において開発行為等をしようとする者(以下「開発行為等の申請者」という。)は、市長とあらかじめ協議を行わなければならない。
(違反建築物又は違反工作物に対する措置)
第9条 市長は、第4条の規定に違反した建築物があるときは、建築等工事主(建築物の建築等をする者をいう。)、当該建築物の建築等の工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)、現場管理者又は当該建築物の所有者、管理者若しくは占有者に対し、当該建築物に係る工事の施工の停止を命じ、又は相当の期限を定めて当該建築物の除去、移転、改築、修繕、模様替え、色彩の変更その他当該規定の違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
2 市長は、前項の規定による必要な措置をとることを命ずる場合は、審議会の意見を聴くものとする。
(1) 法第19条第1項の規定により景観重要建造物として指定された建築物又は工作物
(2) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定により重要文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物又は工作物
(3) 前号に掲げる建築物又は工作物であったものの原形を再現する建築物又は工作物で、市長がその原形の再現がやむを得ないと認めたもの
(4) 地下に設ける建築物又は工作物
(5) 政令第20条第6号イ及びハに掲げる法律の規定により形態意匠に係る義務が定められている工作物
(6) 前各号に掲げるもののほか、良好な景観の保全に支障を及ぼすおそれが少ない建築物又は工作物であると、市長が特に認めたもの
(開発行為等の計画の許可)
第12条 開発行為等の申請者は、その計画が前条の規定に適合するものであることについて、規則で定める申請書を提出して市長の許可を受けなければならない。当該許可を受けた開発行為等の計画を変更して開発行為等を行おうとする場合も、同様とする。
(違反開発行為等に対する措置)
第13条 市長は、第11条の規定に違反した開発行為等があるときは、当該開発行為等をする者、開発行為等の請負人(下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該開発行為等に係る物件の所有者、管理者若しくは占有者に対し、開発行為等の停止を命じ、又は相当の期限を定めて当該規定の違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
2 市長は、前項の規定による必要な措置をとることを命ずる場合は、審議会の意見を聴くものとする。
(開発行為等の適用の除外)
第14条 前3条の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。
(1) 政令第8条第3号及び第4号に掲げる行為
(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(3) 法第31条第1項の許可に係る行為
(4) 薩摩川内市ふるさと景観計画に法第8条第2項第4号ロに掲げる事項が定められた景観重要公共施設の整備として行う行為
(5) 景観重要公共施設に関し、法第8条第2項第4号ハの規定に基づく許可を得て行う行為
(6) 文化財保護法第43条第1項若しくは第125条第1項の許可に係る行為、同法第168条第1項の同意に係る同項第1号の行為又は文化財保護法施行令(昭和50年政令第267号)第4条第2項の許可若しくは同条第5項の協議に係る行為
(7) 前各号に掲げるもののほか、良好な景観の保全に支障がない開発行為等として、市長が特に認めたもの
(1) 準景観地区内で事業を行おうとする者が国の機関又は地方公共団体(以下「国の機関等」という。)である場合においては、当該国の機関等は、当該事業に着手する前に、その計画について、規則で定めるところにより市長に通知しなければならない。
(報告及び立入検査)
第17条 市長は、第4条から第14条まで及び前条の規定の施行に必要な限度において、建築物又は工作物にあっては工事主(建築物の建築等又は工作物の建設等をする者をいう。)、工事の請負人(下請人を含む。)、現場管理者又は建築物若しくは工作物の所有者、管理者若しくは占有者に対し、開発行為等にあっては当該開発行為等をする者、開発行為等の請負人(下請人を含む。)、現場管理者又は当該開発行為等に係る物件の所有者、管理者若しくは占有者に対して、それぞれ建築物の建築等若しくは工作物の建設等又は開発行為等に関する計画又は施行の状況その他必要な事項に関し、報告を求め、又は市長の指定する職員に、建築物若しくは工作物又は開発行為等の敷地又は工事現場に立ち入り、必要な事項を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があった場合には、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(罰則)
第20条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
(1) 第8条第1項の申請書に虚偽の記載をして提出した者
(2) 第8条第4項の規定に違反して、建築物の建築等又は工作物の建設等の工事をした者
(3) 第9条第1項の規定による市長の命令に違反した者
(4) 第12条第1項の申請書に虚偽の記載をして提出した者
(5) 第12条第4項の規定に違反して、開発行為等を行った者
(6) 第13条第1項の規定による市長の命令に違反した者
第21条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(1) 第17条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(2) 第17条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
附則
この条例は、平成25年7月1日から施行する。
別表第1(第2条、第11条関係)
1 法第16条第1項第3号に規定する開発行為(水平投影面積が500平方メートル以上のものに限る。) | (1) 切土及び盛土によって生じる法の高さの最高限度は2メートル以下とすること。 (2) 法面はできるだけ緩やかな勾配とし、緑化等により周辺の自然環境との調和に配慮すること。 (3) 擁壁素材、表面処理の工夫、緑化等により、周辺の自然環境との調和に配慮すること。 |
2 土地の造成その他一団の土地の形質の変更で、当該行為に係る部分の水平投影面積が500平方メートル以上のもの | (1) 切土及び盛土によって生じる法の高さの最高限度は2メートル以下とすること。 (2) 法面はできる限り緩やかな勾配とし、緑化等により周辺の自然環境との調和に配慮すること。 (3) 擁壁素材、表面処理の工夫、緑化等により、周辺の自然環境との調和に配慮すること。 (4) 木竹の伐採はできる限り避け、行為の範囲は必要最小限とすること。 (5) 敷地内にある良好な樹木、池等の自然要素をできる限り保全すること。 |
3 屋外における次に掲げる物件の堆積で、当該行為に係る土地の水平投影面積が500平方メートル以上のもの (1) コンテナなど貨物等の積載又は運搬の用に供する資材 (2) プレハブ、鉄筋その他の建築用資材 (3) 土砂、砂利、堆肥等の土、砂、石の類で、特定の施設や容器に収納されずに屋外に野積みされるもの | ア 物件の高さは10メートル以下とし、道路その他の公共の場所から5メートル以上離れた一番奥の目立たない場所へ堆積すること。 イ 道路その他公共の場所から容易に望見できないよう、樹木、垣根その他のものにより適切に遮蔽すること。 |
4 土石若しくは砂類の採取又は鉱物の掘採で、当該行為に係る土地の面積が300平方メートル以上のもの | (1) 採取又は掘採を行う面積を最小限にとどめ、当該行為の際の樹木の伐採については、不必要な伐採を避けること。 (2) 行為中は、行為地の状況が道路その他公共の場所から容易に望見できないよう、適切な方法により遮蔽されていること。 (3) 行為後は、土地の状況を原状に復旧すること。 |
5 木竹の伐採において、当該行為に係る土地の水平投影面積が500平方メートル以上のもの | (1) 道路など公共の場から見える場所の伐採はできる限り避け、やむを得ず伐採した場合は、これに代わる植栽を行うこと。 (2) 大規模な木竹の伐採はできる限り避け、伐採の位置は遠方からの望見に配慮するなど、公共の場からできる限り見えない場所とすること。やむを得ず見える場合は、その範囲を必要最小限とすること。 (3) 伐採後は植栽に努め、その際は周辺の植生に配慮すること。 (4) 地域を特色づけている樹木、生け垣等は伐採しないこと。やむを得ず伐採しなければならない場合は、移植などの措置を施すこと。 |
6 夜間において公衆の観覧に供するため、一定の期間継続して建築物その他の工作物又は物件(屋外にあるものに限る。)の外観について行う照明 | (1) 照明設備は、地上5メートル以下の場所に設置し、公共の場所に照射しないこと。 (2) ネオン、イルミネーション又は回転灯、サーチライトその他これらに類するもので光の量が多く、動きのあるものは使用しないこと。 |
別表第2(第4条関係)
建築物の形態意匠の制限 | 高さの最高限度 | 建築物に附属する垣、柵、塀等の意匠 | ||
色彩 (外壁) | 1 周辺になじむ色相とし、明度6以下、彩度2以下とすること。 2 アクセントとして上記以外の明度、彩度の色を組み合わせて用いる場合は、その面の面積の10分の1以内とすること。 3 木材・自然石などの自然素材(島内生産のものに限る。)による場合は、この限りではない。 | 主屋 | 地盤面から最上部までの高さを13メートル以下とすること。 | 1 道路に面する垣、柵、塀等は、周辺の自然風景と不調和とならないように、自然素材(石、木、植物等)を使用すること。 2 上記以外の素材を使用する場合は、自然素材風の修景又は壁面緑化等の緑化措置を施すこと。 |
附属施設 | 主屋の軒の高さ以下とすること。 | |||
色彩 (屋根) | 周辺になじむ色相とし、明度3以下、彩度6以下とすること。 | |||
建築設備等 | 1 空調、配線等に必要な建築設備は、公共空間から見えないよう遮蔽等の措置を施すこと。 2 やむを得ず、露出する場合は、建築物の外壁と同色の塗装を施し、目立たないよう配慮すること。 |
別表第3(第5条関係)
工作物の種類 | 工作物の形態意匠の制限 | 高さの最高限度 |
鉄筋コンクリート造りの柱、鉄柱、木柱その他これらに類する柱 | 背景となる自然風景又は周辺の状況を阻害するような派手ではっきりとした色は使用しないこととし、彩度は2以下とすること。 | 1 周辺に設置してある同種のものと等間隔又は等しい高さになるようにし、全体としての連続性や統一性を確保すること。 2 送電又は通信の用に供する目的で設置する柱については、連続性や統一性を確保すること。 |
物見塔その他これに類する塔 | 背景となる自然風景又は周辺の状況を阻害するような派手ではっきりとした意匠及び色は使用しないこととし、彩度は2以下とすること。 | 5メートル以下とすること。 |
高架水槽、サイロ又は飼料、セメントその他これらに類する物を貯蔵若しくは製造する施設 | 背景となる自然風景又は周辺の状況を阻害するような派手ではっきりとした意匠及び色は使用しないこととし、彩度は2以下とすること。 | ― |
擁壁 | 壁面の表面は石貼りなど、自然素材風の修景を施したものとすること。 | 2メートル以下とすること。 |
自動販売機 | 外装部の地色(文字以外の部分をいう。)は、色相Y又はYRの彩度2以下とし、囲い等の目隠しを付けること。光量はできるだけ抑え、夜間の良好な環境に配慮すること。 | ― |
垣、柵及び塀 | 背景となる自然風景又は周辺の状況を阻害するような派手ではっきりとした色は使用しないこととし、ブロック塀又はコンクリート塀を使用する場合は、色相Y又はYRの彩度2以下とすること。ただし、石貼り等の自然素材風の修景及び塀全体を地被性植物等での緑化を行った場合は、塗装は要しない。 | 1.2メートル以下とすること。 |
記念塔、彫像その他これらに類するもの | 1 周辺の状況と調和し、違和感が生じないような意匠及び色とすること。 2 彫像等を載せる台座は、むき出しのコンクリートにせず、木製、石積みや石貼り等の自然素材又は同等の外観を持つような修景措置を施すこと。 | 2.1メートル以下とすること。 |