○薩摩川内市景観条例
平成20年9月26日
条例第42号
(目的)
第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関して必要な事項その他景観の形成に関し必要な事項を定めるとともに、市民、事業者、地区コミュニティ協議会(以下「市民等」という。)及び市が協働して、後世に誇れる良好な景観の保全及び創造を行い、もって快適なまちづくりと市民文化の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、使用する用語の意義は、特段の定めがある場合を除くほか、法において使用する用語の例による。
(1) 市民 市内に居住し、通勤し、通学し、若しくは滞在する者又は事業者をいう。
(2) 事業者 市内において営利、非営利等の別にかかわらず事業及び活動を行う個人、法人又は団体をいう。
(3) 地区コミュニティ協議会 薩摩川内市自治基本条例(平成20年薩摩川内市条例第41号)第21条に規定する協議会をいう。
(4) 景観の形成 公共の財産である景観についての価値を見出し、良好なものとなるように活動することをいう。
(市民の責務)
第3条 市民は、自らが景観の形成の主体であることを認識し、自主的かつ積極的に景観の形成に努めなければならない。
2 市民は、市が実施する景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、その事業活動に関し、自主的かつ積極的に景観の形成に努めなければならない。
2 事業者は、市が実施する景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(地区コミュニティ協議会の責務)
第5条 地区コミュニティ協議会は、市民及び事業者との協働により、自主的かつ積極的に景観の形成に努めなければならない。
2 地区コミュニティ協議会は、市が実施する景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(市の責務)
第6条 市は、景観の形成に関する施策を総合的に策定し、これを実施しなければならない。
2 市は、景観の形成に関する啓発及び知識の普及活動を通じて、良好な景観の保全及び創造に対する市民等の理解を深めるよう努めなければならない。
(審議会の設置)
第7条 市長の諮問に応じ、景観の形成に関する重要事項等を調査審議するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき薩摩川内市景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(景観計画)
第8条 市は、法第8条第1項の規定に基づき景観計画を策定するものとする。
2 市は、景観計画の策定又は変更を行おうとするときは、審議会の意見を聴くものとする。
(届出対象行為)
第9条 法第16条第1項各号に規定する行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめその旨を市長に届け出なければならない。
2 法第16条第1項第4号に規定する良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれのある行為として条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 樹根を採掘するもののほか、土地の区画形質を変更する行為で、その面積が1,000平方メートル以上のもの
(2) 土砂石を採取し、又は採掘するもので、その面積が300平方メートル以上のもの
(3) 木竹の伐採で、その面積が1,000平方メートル以上のもの
(届出等を要しない行為)
第10条 法第16条第7項第11号に規定する同条第1項から第6項までの規定の適用のない行為として条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 法第16条第1項第1号に規定する行為のうち、延べ面積が1,000平方メートル以下となり、かつ、次のいずれかに該当することとなる建築物の建築等
ア 第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域に建築される建築物で、軒の高さ(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第1項第7号に規定する高さをいう。)が7メートル以下で、かつ、地階を除く階数が3未満のもの
イ 第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、準工業地域、若しくは用途地域の指定のない区域又は都市計画区域外に建築される建築物で、高さが12メートル以下で、かつ、地階を除く階数が4未満のもの
ウ 商業地域、工業地域又は工業専用地域に建築される建築物で、高さが15メートル以下で、かつ、階数が5未満のもの
エ 共同住宅、寄宿舎等の用途に供する建築物で、地階を除く階数が3未満のもの、10未満の住戸を有するもの又は15未満の住室を有するもの
(2) 法第16条第1項第1号に規定する行為のうち、前号に規定する建築等を除く建築等で、次のいずれかに該当するもの
ア 増築又は改築に係る部分の延べ面積が、当該建築物等の延べ面積の2分の1以下のもの
イ 各壁面の変更に係る部分の鉛直投影面積が、当該壁面の鉛直投影面積の5分の1以下である色彩の変更
(3) 法第16条第1項第2号に規定する行為のうち、その高さが10メートル未満となる建築基準法施行令第138条に規定されている工作物の建設等
(4) 法第16条第1項第2号に規定する行為のうち、前号に規定する建設等を除く建設等で、次のいずれかに該当するもの
ア 増築又は改築に係る部分の面積が、鉛直投影面積又は水平投影面積の2分の1以下のもの
イ 各壁面の変更に係る部分の鉛直投影面積が、当該壁面の鉛直投影面積の5分の1以下である色彩の変更
(事前相談)
第11条 景観計画区域内において法第16条に規定する行為をしようとする者は、その手続を行おうとする前までに、当該行為が同条の規定による届出を要する行為か否かについて、市長に相談することができる。
2 市長は、前項の規定による相談があったときは、当該行為が法第16条の規定による届出を要する行為か否かを速やかに回答するものとする。
(景観計画への適合)
第12条 第9条の規定による届出(法第16条第2項に規定する変更に係る届出を含む。)をした者(以下「届出者」という。)は、当該届出の対象となる行為を行うに当たっては、景観計画に定める基準に適合するよう努めなければならない。
(指導、助言及び勧告)
第13条 市長は、良好な景観の形成を推進するために必要があると認めるときは、前条に規定する届出者に対し、当該届出に係る行為について、必要な措置を講ずるよう指導又は助言をすることができる。
2 市長は、前項に規定する指導又は助言に従わない届出者に対して、法第16条第3項の規定に基づき、当該指導又は助言に従うよう勧告をすることができる。
3 市長は、前項の規定により勧告をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。
(景観提案地区)
第14条 地区コミュニティ協議会は、景観の形成に向けて保全等を図ろうとする地区を景観提案地区として市長に提案することができる。
2 市長は、前項の規定による提案を受けた場合において、その保全等を図ることが適当であると認めたときは、当該地区を景観提案地区として指定するものとする。
3 市長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。
(景観啓発地区)
第15条 地区コミュニティ協議会は、景観提案地区として指定された地区で、景観の形成に向けた具体的な調査及び検討を行おうとするときは、当該地区を景観啓発地区として市長に提案することができる。
2 市長は、前項の規定による提案を受けた場合において、景観啓発地区としての範囲及び地区コミュニティ協議会の活動予定について適当であると認めたときは、当該地区を景観啓発地区として指定するものとする。
3 市長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。
(景観地区等)
第16条 地区コミュニティ協議会は、景観啓発地区として指定された地区(都市計画区域内に限る。)で、法第61条第2項、第72条及び第73条に規定する内容について協議が整った場合は、当該地区を法第61条第1項に規定する景観地区として市長に提案することができる。
2 地区コミュニティ協議会は、景観啓発地区として指定された地区(都市計画区域外に限る。)で、法第75条に規定する内容について協議が整った場合は、当該地区を法第74条に規定する準景観地区として市長に提案することができる。
4 市長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。
(景観重要資産)
第17条 地区コミュニティ協議会は、前条に定めるもののほか、地域のシンボルやイメージとなっている建造物、樹木等の景観資源を景観重要資産として市長に提案することができる。
2 市長は、前項の規定による提案が適当であると認めたときは、当該景観資源を景観重要資産に指定するものとする。
3 市長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。
(景観重要建造物及び景観重要樹木の提案等)
第18条 地区コミュニティ協議会は、前条の規定により景観重要資産として指定された景観資源について、当該資源が景観の形成上重要な役割を果たしていると認めるときは、その所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)との協議を行った上で、建造物については景観重要建造物として、樹木については景観重要樹木として、それぞれ市長に提案することができる。
2 市長は、前項の提案を受けた場合において、これらの管理の基準について所有者等と協議し、これを適当と認めたときは、当該提案に応じて法第19条に規定する景観重要建造物又は法第28条に規定する景観重要樹木に指定するものとする。
3 市長は、前項の指定をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。
(景観提案地区等の指定の解除)
第19条 地区コミュニティ協議会は、景観提案地区、景観啓発地区、景観地区又は準景観地区(以下この条において「景観提案地区等」という。)について、景観形成に対する地元の理解低下、合意事項の解消その他の事由により、その指定の継続が困難となる理由が生じたときは、速やかに市長と協議しなければならない。
2 市長は、景観提案地区等について、前項に規定する理由、公益上の理由その他特別な理由があると認めるときは、総合的に判断してその指定を解除するものとする。
3 市長は、前項の規定による指定の解除をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。
(景観重要資産等の指定の解除)
第20条 景観重要資産、景観重要建造物又は景観重要樹木(以下この条において「景観重要資産等」という。)の所有者等及び地区コミュニティ協議会は、当該景観重要資産等について、滅失、毀損その他の事由により、その指定の継続が困難となる理由が生じたときは、速やかに市長と協議しなければならない。
2 市長は、景観重要資産等について、前項に規定する理由、公益上の理由その他特別な理由があると認めるときは、その指定を解除するものとする。
3 市長は、前項の規定による指定の解除をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は、前項の規定による公示をしたときは、その旨を当該地区の地区コミュニティ協議会及び所有者等に通知するものとする。
(普及啓発)
第22条 市は、市民等に対し、景観の形成に関する知識を普及し、又は意識を啓発するため、広報活動、学習支援、情報提供、表彰その他必要な施策を講じるものとする。
(支援)
第23条 市は、市民等に対し、専門的知識を有する専門家の派遣又は技術的援助等の支援を行うことができる。
(委任)
第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
附則(令和5年3月24日条例第4号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
附則(令和5年9月20日条例第28号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の薩摩川内市景観条例の規定は、この条例の施行の日から起算して30日を経過した日以後に行う行為について適用し、同日前に行う行為については、なお従前の例による。