○薩摩川内市患者等搬送事業に対する指導及び認定に関する規程
平成19年1月15日
消防局訓令第1号
(目的)
第1条 この訓令は、薩摩川内市消防局管轄区域内の民間の事業者による患者等の搬送事業に対し、必要な指導を行うとともに、一定の基準に適合する搬送事業者の認定を行うことにより、患者等の生命及び身体の安全を図ることを目的とする。
(1) 患者等 寝たきり高齢者、車椅子又は寝台を必要とする身体障害者、傷病者等をいう。
(2) 患者等搬送業務 患者等を医療機関、社会福祉施設等へ搬送するために必要な構造又は設備を備えた自動車(以下「患者等搬送用自動車」という。)を使用し、患者等を搬送する業務をいう。
(3) 患者等搬送事業者 患者等搬送業務を行う事業所の経営者又は管理者をいう。
(4) 認定 第8条の規定による消防局長の認定をいう。
(5) 乗務員 患者等搬送用自動車に乗務し、患者等搬送業務に従事する者をいう。
(指導)
第3条 消防局長は、管轄区域内の患者等搬送事業者に対し、別表第1に定める基準(以下「指導基準」という。)に基づき、必要な指導を行うものとする。
(講習の実施)
第4条 消防局長は、患者等搬送業務に必要な知識及び技術を乗務員に習得させるため、別表第2に定めるところにより、患者等搬送乗務員基礎講習及び患者等搬送乗務員定期講習を実施するものとする。
(1) 患者等搬送乗務員基礎講習を終了した者
(2) 次に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有する者として、消防局長が認めた者(以下「特例適任者」という。)
ア 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第44条に規定する救急業務に関する講習課程を終了した者
イ 日本赤十字社の行う応急処置に関する講習(当該講習に消防機関が行う乗務員基礎講習に不足する科目がある場合は、消防機関が行う講習を受講すること。)を受けた者で、資格が有効期間内の者
2 適任証の有効期間は、2年間とする。
3 前項の規定にかかわらず、適任証の交付を受けた乗務員が患者等搬送乗務員定期講習を受講した場合に限り、その期限を更に2年間有効とするものとし、その後再受講した場合も同様とする。
(認定の対象)
第6条 認定の対象となる患者等搬送事業者は、道路運送車両法(昭和26年法律第183号)に定める次の各号のいずれかの事業に係る許可を受けている者又は届出をしている者とする。
(1) 一般乗用旅客自動車運送事業
(2) 一般乗用(患者等輸送限定)旅客自動車運送事業
(3) 一般貸切旅客自動車運送事業
(4) 特定旅客自動車運送事業
(5) 無償自動車運送事業
(認定の申請)
第7条 認定を受けようとする患者等搬送事業者は、患者等搬送事業認定申請書(様式第2号)に別に定める乗務員名簿及び患者等搬送用自動車届を添付して、消防局長に申請しなければならない。
3 消防局長は、第1項の審査の結果、認定しなかったときは、その理由を付して、認定審査結果通知書を送付するとともに、患者等搬送事業者に対し、認定審査基準に適合するよう指導するものとする。
(認定証の有効期間等)
第10条 認定証等の有効期間は、認定を受けた日の翌日から起算して5年とする。
(認定証等の再交付)
第11条 認定事業者は、認定証等を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、別に定める患者等搬送事業認定証等再交付申請書を消防局長に提出しなければならない。
2 消防局長は、前項の申請書を受理したときは、記載事項等を確認の上、認定事業者に認定証等を再交付するものとする。
(業務内容の変更)
第12条 認定事業者は、患者等搬送事業認定申請書の内容を変更した場合は、別に定める患者等搬送業務内容変更届により消防局長に届け出なければならない。
2 消防局長は、前項の届出があったときは、患者等搬送業務内容を確認の上、認定事業者に認定証を再交付するものとする。
(認定事業者の責務)
第13条 認定事業者は、指導基準を誠実に履行しなければならない。
2 認定事業者は、患者等搬送業務において、次に掲げる事項に該当したときは、直ちに消防局長へ報告しなければならない。
(1) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)に規定する患者を搬送したとき。
(2) 患者等搬送業務中に交通事故を発生させたとき。
3 前項に定めるもののほか、認定事業者は、患者等搬送業務の実施中に、特異な事案を扱ったとき、又は搬送業務の遂行に支障を及ぼす重大な事案等を発生させたときは、別に定める特異事案報告書により消防局長に報告しなければならない。
(認定事業者の調査)
第14条 消防局長は、年間1回以上認定事業者に対して、指導基準等の履行状況等について調査するものとする。
2 消防局長は、前項の調査により適当でないと認められる事項があるときは、指導基準に適合するよう指導するものとする。
(認定の取消し)
第15条 消防局長は、次の各号のいずれかに該当するときは、認定事業者の認定を取り消すことができる。
(1) 認定事業者が指導基準を遵守しないとき。
(2) 認定事業者が認定基準に適合しなくなったとき。
(3) 業務の遂行に当たって、認定事業者が重大な事故を発生させたとき。
(4) その他認定を継続することが不適当と判断されるとき。
(認定の失効)
第16条 認定事業者が、次の各号のいずれかに該当するときは、当該認定はその効力を失うものとする。
(1) 道路運送法に定めるところにより、患者等搬送用自動車の使用の停止又は認定の対象になった第6条の事業停止が命ぜられ、又は当該事業の許可が取り消されたとき。
(2) 患者等搬送事業を廃止したとき。
(3) 認定の有効期間が満了したとき。
2 消防局長は、認定証等の返還が行われない場合は、当該認定証等の返還を求めるものとする。
(その他)
第18条 この訓令に定めるものほか、患者等搬送事業に関し必要な事項は、消防局長が別に定める。
附則
この訓令は、令達の日から施行する。
別表第1(第3条関係)
1 患者等搬送業務の制限 (1) 生命に危険があり、又は症状が悪化すると認められ、緊急に医療機関その他の場所に搬送しなければならない患者等は、搬送の対象としないこと。 (2) 患者等搬送事業所、患者等搬送用自動車、パンフレットその他これらの類するものに緊急の業務を行っていると誤解を与えるような表示をしないこと。 2 応急手当の実施 患者等搬送業務に当たっては、症状の悪化防止に万全の配慮を行い、搬送途上において症状が悪化し、緊急やむを得ない場合は、必要最小限度の応急手当を実施すること。 3 消防機関との連携 患者等搬送事業者は、次のいずれかに該当する場合は、患者等のいる場所、状態、既往症、かかりつけの医療機関等を消防機関に通報し、救急自動車を要請すること。 (1) 患者等の搬送依頼時の内容及び症状の聴取の結果、緊急に医療機関へ搬送する必要があると判断した場合 (2) 患者等の搬送依頼があった場所に到着後、症状等から緊急に医療機関へ搬送する必要があると判断した場合 (3) 患者等の搬送途上において、症状が悪化し、緊急に医療機関へ搬送する必要があると判断した場合 4 乗務員の要件 乗務員は、満18歳以上の者で、適任証の交付を受けた者であること。 5 適任証の携行 乗務員は、患者等搬送業務に従事するときは、常に適任証を携行すること。 6 乗務体制 患者等搬送事業者は、患者等搬送用自動車1台につき2名以上の乗務員をもって業務を行わせること。ただし、退院等を目的として運行する場合又は医師若しくは看護師等が同乗する場合は、この限りでない。 7 患者等搬送用自動車の要件 患者等搬送用自動車は、次に掲げる構造及び設備を有する車両であること。 (1) 十分な緩衝装置 (2) 換気及び冷暖房の装置 (3) 乗務員が業務を実施するため必要なスペース (4) ストレッチャー、車椅子等を確実に固定できる構造 (5) 無線機等の通信及び連絡に必要な設備 8 患者等搬送用自動車の表示 患者等搬送用自動車の車体には、別に定めるところにより、患者等搬送用自動車である旨の表示をすること。 9 積載資器材 患者等搬送用自動車には、次の表に掲げる資器材を備えること。 | |||
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| 項目 | 資器材名 |
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呼吸管理用資器材 | ポケットマスク及びマスクバッグ | ||
保温用等資器材 | 敷物、保温用毛布、担架及びまくら | ||
創傷等保護用資器材 | 三角布、包帯、ガーゼ、タオル及びばんそうこう | ||
消毒用資器材 | 噴霧消毒器及び各種消毒薬 | ||
その他の資器材 | はさみ、体温計、マスク、膿盆、ピンセット、汚物入れ、手袋、手洗い器及びAED | ||
10 消毒の実施等 (1) 患者等搬送用自動車及び積載資器材の消毒は、次により行うこと。 ア 定期消毒 毎月1回以上 イ 使用後消毒 毎使用後 (2) 医師から消毒について特別に指示があった場合は、当該指示に基づいた消毒を行うこと。 (3) 定期消毒を実施したときは、その旨を別に定める消毒実施記録票に記録し、患者等搬送用自動車内の見やすい場所に表示すること。 11 衛生・安全管理 (1) 患者等搬送用自動車及び積載資器材については、点検整備を確実に行い、清潔の保持に努めること。 (2) 乗務員の服装は患者等搬送業務にふさわしいものとし、清潔の保持に努めること。 12 定期講習の受講 患者等搬送事業者は、乗務員に患者等の安全搬送に関する知識及び技術の向上に努めさせ、2年に1回以上患者等搬送乗務員定期講習を受講させること。 |
別表第2(第4条関係)
種別 項目 | 患者等搬送乗務員基礎講習 | 患者等搬送乗務員定期講習 |
実施者 | 消防局長 | |
実施回数 | 随時 | 2年に1回以上 |
講習内容 | 1 患者の観察に関すること。 2 応急処置に関すること。 3 搬送法及び患者等の管理に関すること。 4 感染防止に関すること。 5 消防機関との連携に関すること。 | 1 患者の観察に関すること。 2 応急処置に関すること。 3 搬送法及び患者等の管理に関すること。 |
講習時間 | 24時間 | 3時間 |
講師・教材 | 実施者が定める。 |
備考 消防局長は、必要と認める場合は、講習時間等を変更することができる。
別表第3(第8条関係)
1 乗務員は、18歳以上の者で、患者等搬送乗務員適任証の交付を受けている者であること。 2 患者等搬送用自動車は、次に掲げる構造及び設備を有するものであること。 (1) 患者等を収容する部分は、次のとおりであること。 ア 長さ1.9メートル以上、幅0.5メートル以上のストレッチャーが1台以上収容することができ、かつ、乗務員が業務を実施するために必要な容積を有するものであること。 イ 室内の高さは、業務を行うのに支障がないものであること。 (2) 乗車人員は、4人以上であること。 (3) 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。 (4) ストレッチャー、車椅子等は、確実に固定できるものであること。 (5) ストレッチャーは、長さ1.9メートル以上、幅0.5メートル以上、高さ0.3メートル以上のものであること。 (6) ストレッチャーは、患者等の固定ベルトを有していること。 (7) 自動車電話、携帯電話等、緊急連絡に必要な機器を設置しているものであること。 3 患者等搬送自動車には、サイレン及び赤色灯の装備がなされていないこと。 4 患者等搬送自動車には、患者等搬送用自動車である旨の表示がされていること。 5 患者等搬送自動車には、応急手当に必要な資器材を備えていること。 6 消毒実施記録表が、患者等搬送自動車の見やすい場所に表示されていること。 7 乗務員は、患者等搬送業務にふさわしい服装とし、清潔が保たれていること。 8 道路運送法(昭和26年法律第183号)に定める国土交通大臣の許可等を受けていること。 |
様式 略