○薩摩川内市自然保護条例
平成16年10月12日
条例第172号
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 景勝保護区(第8条―第12条)
第3章 遺跡保護区(第13条―第17条)
第4章 海域保護区(第18条―第22条)
第5章 植物保護区及び保護植物(第23条―第27条)
第6章 管理(第28条―第30条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市内又は市の周辺の海域にある自然の景勝地及び歴史的遺跡並びにその区域内の資源等を保護するとともに、自然環境を適正に保全し、市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 市のもつ自然環境は、市民の生活に不可欠な資産であり、広く市民がその恵沢を享受するとともに、将来の世代に継承することができるようにその保全に努めなければならない。
(財産権の尊重及び公益との調整)
第3条 自然環境の保全に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、公益との調整に留意しなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、自然と調和した豊かな生活環境を保全する施策を定め、これを実施するものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、自然環境の保全について自ら努めるとともに、市が実施する自然保護に関する施策に協力するものとする。
(自然保護に関する基本方針の策定)
第6条 市は、自然保護に関する施策の策定及び実施に当たっては、自然保護に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。ただし、薩摩川内市環境基本条例(平成16年薩摩川内市条例第171号)第7条に規定する基本方針又は第8条の規定により策定する環境基本計画に定める基本的な方針をもってこれに代えることができる。
2 市長は、基本方針を策定しようとするときは、あらかじめ薩摩川内市環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
(自然保護意識の高揚)
第7条 市長は、市民の自然保護意識の高揚に努めるとともに、市民が行う自然保護活動について助言その他の援助に努めるものとする。
第2章 景勝保護区
(指定)
第8条 市長は、市内の景勝地のうち特に秀れた景勝地で、保護する必要のある地域については景勝保護区に指定することができる。
2 前項の規定による指定をしようとするときは、市長はあらかじめ指定しようとする地区内の保有者等の同意を得なければならない。
3 第1項の規定による指定をしようとするときは、市長はあらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該地区内の所有者に通知して行う。
(解除)
第9条 市長は前条第1項の指定を解除し又は区域を変更しようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。
(制限)
第10条 景勝保護区内における次に掲げる行為は、市長の許可を受けなければならない。
(1) 建物又は工作物を新築、改築又は増築すること。
(2) 木竹を伐採及び採掘すること。
(3) 鉱物を採掘し、又は土石を採取すること。
(4) 広告物又はこれに類するものを掲示し、又は設置すること。
(5) 水面を埋め立て、又は干拓すること。
(6) 土地を開墾し、又はその土地の形状を変えること。
(7) 市長が指定する植物を採取すること。
2 前項の許可を受けようとする者は、1箇月前までに許可申請書を提出しなければならない。
(条件)
第11条 市長は、前条第2項の規定による許可をするに当たり、景勝地の景観を保護するために必要な限度において条件を付することができる。
(不許可及び許可の取消し)
第12条 第10条第2項の規定による申請が、景勝保護区の景観を著しく阻害し、又は景勝の保護について重大な支障を及ぼす行為であるときは、市長は、理由を付してこれを許可しないことができる。
2 前項の規定による処分を受けることにより、損失を受ける者に対しては、市は通常その生ずべき損失を補償するものとする。
3 第10条の規定によって許可を受けた者が、その許可された行為以外の行為又は許可の条件に違反したときは、市長は、その許可を取り消し、又は原状回復を命ずることができる。
4 前項の規定による原状回復に要する費用は、その者の負担とする。
第3章 遺跡保護区
(指定)
第13条 市長は、歴史上又は学術上価値の高い遺跡、記念物等の所在する地域で、特に保存管理する必要があると認められる場合は、その地域を遺跡保護区に指定することができる。
(制限)
第15条 第10条の規定は、遺跡保護区について準用する。
(条件)
第16条 第11条の規定は、遺跡保護区について準用する。
第4章 海域保護区
(指定)
第18条 市長は、市内の海域において、さんご類又は魚貝類等が乱獲され、その資源を失うおそれがあるときは、海域保護区に指定することができる。
2 市長は、市において特に保護する必要があると認められるさんご、海草、貝、魚等があるときは、その種類を定め、保護対象として指定することができる。
(制限)
第20条 海域保護区内において、次に掲げる行為は、市長の許可を受けなければならない。
(1) 市長が指定するさんご、海草、貝、魚等を採捕すること。
(2) 砂礫を採取すること。
(3) 水面を埋め立て、又は干拓すること。
(4) 工作物を設置すること。
2 前項の許可を受けようとする者は、1箇月前までに許可申請書を提出しなければならない。
(不許可又は許可の取消し)
第22条 第20条第2項の規定による申請が、海域保護区の資源を著しく滅失し、又は資源の保護について重大な支障を及ぼす行為であるときは、市長は、理由を付してこれを許可しないことができる。
第5章 植物保護区及び保護植物
(指定)
第23条 市長は、植物の自生地で特に保護すべき必要があると認められる地域又は指定する植物を植栽する地区を植物保護区に指定することができる。
2 市長は、市において特に保護する必要があると認められる植物について、その種類及び保護する区域(以下「保護区域」という。)を定めて、保護植物に指定することができる。
(制限)
第25条 植物保護区において第10条第1項各号に掲げる行為をしようとする者又は保護植物を保護区域外へ持ち出そうとする者は、あらかじめその旨を市長に届け出て許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、1箇月前までに許可申請書を提出しなければならない。
(条件)
第26条 第11条の規定は、植物保護区及び保護植物について準用する。
(不許可又は許可の取消し)
第27条 第25条第2項の規定による申請が、植物保護区及び保護植物の生態を破壊するなどその保護に重大な支障を及ぼす行為であるときは、市長は、理由を付してこれを許可しないことができる。
第6章 管理
(管理)
第28条 市長は、この条例に基づいて指定した保護区及び保護植物等の管理に当たっては、その必要に応じて、所有者及び関係者と協議しなければならない。
(財政措置)
第29条 市長は、指定した保護区及び保護植物等の管理に必要な財政措置を構ずるよう努めるものとする。
(委任)
第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成16年10月12日から施行する。